SL材

建築現場における熟練技能者不足が問題視されている中、工期短縮・ 省力化の必要性は、ますます大きくなっています。また、住宅瑕疵担保履行法施行や長期優良住宅制度の導入などにより、建築材料の品質に対する要求性能も様々に変化してきています。そうした中、熟練技能を有することなく、水平精度に優れた床面が得られるセルフレベリング材(SL材)は、マンションなどの住宅、学校・病院などの公共施設を始め、倉庫・工場などの非住居系建築物にも、幅広く採用されるようになりました。SL材を用いた工法は、その長年に亘る実績を評価され、「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」、「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)」にも採用されており、SL材を使用する建築物は、今後も増加していくものと期待しています。 日本建築仕上材工業会SL材部会は、多種多様なユーザーニーズに応えるため、品質並びに信頼性向上を図る様々な活動を行いつつ、ユーザーがSL材を安心してご使用いただくために、SL工法の普及活動に努めています。

ページ概要

SL材の種類と特徴

SL材の種類

SL材は、結合材の種別により、せっこう系とセメント系に区分されています。
また、荷姿によって、以下のような種類があり、現場のあらゆるニーズに対応できます。

 石こう系セメント系
袋 物既調合された粉体を現場で練り混ぜ、SLスラリーを調製します。
生SL移動プラント式粉体、計量器、ミキサー等全てを搭載したSL専用ローリー車が現場で練り混ぜSLスラリーを供給します。
固定プラント式SL専用プラントで練り混ぜたSLスラリーを、生コン車で現場まで運搬し、SLスラリーを供給します。
SL工法h1h4c
SL材の特徴
項 目袋 物
現場練り混ぜ
生 S L
移動プラント式
生 S L
固定プラント式
作業状況

・練りまぜ後
20分~1時間以内
(製品種別による)

・小面積施工の対応が容易

・練り混ぜ後
30分~1時間以内
(製品種別による)

・大面積施工が容易
・ポンプ手配必要なし
・材料過不足なし

・専用プラントでの練り混ぜ後6~9時間以内

・流動性保持時間が長く、大面積施工が容易

・ポンプ中継により 高層階打設が可能

作業の省力化

・コンクリート直押えやモルタル押えに比べ、腰を屈める作業が低減。

・袋の荷卸し、横持ち、練り混ぜが必要

・材料調製は
0.5~1m3/h可能

・材料供給が最大3m3/hあり、大面積が少人数で施工可能

・コンクリート直押えやモルタル押えに比べ、腰を屈める作業が低減

・材料供給が最大5m3/hあり、大面積が少人数で施工可能

・コンクリート直押えやモルタル押えに比べ、腰を屈める作業が低減

工程管理

・下地処理(清掃、プライ マー塗布)工程が必要

・現場状況に合わせることが容易で、いつでも施工可能

・下地処理(清掃、プライマー塗布)工程が必要

・SL専用ローリー車の予約が必要

・下地処理(清掃、プライマー塗布)工程が必要

・生コン車の予約が必要

施工可能面積
(厚10mmの場合)
・小~中面積が得意 1日最大600m2可能・中~大面積が得意
1日最大3,000m2可能
・中~大面積が得意
1日最大4,000m2可能
技能者不足への
対応
コンクリート直押えやモルタル押えに比べ、容易
レベル精度コンクリート直押えやモルタル押えに比べ、高い
製品品質の
安定性

・既調合粉体のため、品質は安定している

・但し、練り混ぜ水量管理が重要

・既調合粉体、S L 専用ローリー車練り混ぜのため、品質は安定している・S L 専用プラントにて練り混ぜのため、品質は安定している

なぜSL材か

建築分野における床仕上げ施工の良し悪しは、下地の出来次第によるといわれています。現在、床下地の施工方法は、コンクリート直押えやモルタル金ごて押えが主流ですが、左官技能者の熟練度によって、レベル精度のばらつきが発生する可能性があり、技能者不足がこれに拍車をかけています。
また、近年の建築業界をとりまく環境の中、品質に対する要求性能が高くなる一方、それに見合う十分な時間とコストをかけることが難しくなっている現状もあります。セルフレベリング材は、コンクリート床下地等に、スラリーを流し込み、トンボやコテなどを用いて簡単に均すだけで、レベル精度の高い平坦・平滑な床下地面を得られることから、広い面積を短期間で施工できる材料です。

仕上がり精度

マノメーター方式により測定しました。SL材施工面、モルタル金ごて押え面およびコンクリート直押え面の水平精度を下表に示します。SL材施工により平坦・平滑性に優れた床下地面が得られます。(3m間隔で測定した場合の不陸)

SL材生産数量統計
SL工法用途別採用例

☆: 採用が非常に多い、 ◎ : 採用が多い、 ○ : 採用があり

品質基準と物性データ

品質基準

日本建築学会建築工事標準仕様書・同解説 JASS15左官工事 JASS15M-103 セルフレベリング材の品質規準

項 目石こう系セメント系
フロー値19cm以上
凝結時間始発45分以上
集結20時間以内
圧縮強度(材令28日)15N/以上20N/以上
下地接着強度
材令14日
0.7N/㎟以上0.7 N/hh以上
表面接着強度
(材令14日)
0.4N/㎟以上0.5N/㎟以上
長さ変化
(材令28日)
0.05%以下0.12%以下
衝撃
(材令14日)
割れおよびはがれのないこと
加盟各社のSL材物性データ
項 目石こう系セメント系
フロー値(cm)19〜2520〜24
凝結時間始発1:00〜4:001:00〜14:00
集結2:00〜5:001:30〜16:00
圧縮強度(N/㎟)
(材令28日)
20〜3520〜43
下地接着強度 (N/㎟)
材令14日
0.7以上0.9〜3.3
表面接着強度(N/㎟)
(材令14日)
0.5以上0.6〜4.3
長さ変化(%)
(材令28日)

0.05以下

0.02〜0.10
衝撃
(材令14日)
割れ、はがれなし割れ、はがれなし

※上記データは、SL材部会加盟各社の製品データをとりまとめたものです。
 個別データについては、加盟各社にお問合せください。

施工フローチャート

SL材部会加盟社(50音順)

「宇部興産株式会社」
URL http://www.ube.co.jp
所在地105-8449 東京都港区芝浦1-2-1 シーバンスN館
担当部署建設資材カンパニー 建材事業部 営業推進部
電話03-5419-6205
商品名SLフローG、 床レベラーG(一般用、薄塗用)、 床レベラー(一般用、薄塗用)、 タフレベラーG、 タフレベラーG勾配用、外床レベラーG、クイックセラミックフロー
日鉄住金高炉セメント株式会社
URL http://www.kourocement.co.jp
所在地〒104-0033 東京都中央区新川1-16-14 アクロス新川ビルアネックス
担当部署SL事業部 東京グループ
電話03-3523-0947
商品名エスレベル、 エスレベル(袋)、 エスレベル外床
「太平洋マテリアル株式会社」
URL http://www.taiheiyo-m.co.jp
所在地〒135-0064 東京都江東区青海2-4-24 青海フロンティアビル
担当部署営業本部 機能性材料営業部
電話03-5500-7512
商品名太平洋生SL、 太平洋SL、 太平洋薄塗りSL
「株式会社トクヤマエムテック」
URL http://www.k-tokuyama.co.jp
所在地〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-2-5 ERVIC人形町
担当部署営業本部 東日本営業グループ
電話03-5643-3601
商品名フローレベラー床用 (袋)、 フローレベラー床用 (生SL)
「日本化成株式会社」
URL http://www.nihonkasei.co.jp
所在地〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-3-22 ハイフレックスビル
担当部署関東支社
電話03-3207-8166
商品名NSニューハイレベラー、 NSユカモルH、 NSハードレベラー、 NSベランダコートQ
「吉野石膏株式会社(URL)」
URL http://yoshino-gypsum.com
所在地〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル
担当部署セラミック営業部 営業課
電話03-3216-2670
商品名タイガーニューSL、 タイガーSL、 SLプラスター、 SLプラスターSK
上部へスクロール