セルフレベリング材Q&A

平成29年2月 
日本建築仕上材工業会 
SL材部会 (日本床施工技術研究協議会 監修)

セルフレベリング材の不具合現象に対するQ&Aをまとめました。

ページの概要

1:不具合現象:不陸・凹凸(へこみ)
NO.発生原因
発生要因対策(予防)処置方法
材料
施工現場条件
1使用期限切れの材料の使用  製造業者の使用期限を厳守する。凸部はサンダー、ポリッシャーなどで研磨する。 凹部は薄塗補修する。   打継部は、すり合わせ補修、ポリッシャーなどで研磨する。
2水漏れ等で固結した材料の使用  材料の運搬、保管時に水に濡れないようにする。湿気の少ない屋内でパレット、桟木の上に置く。直射日光を避け、40℃以下の環境で貯蔵する。
3漏れ止め不良  JIS A 6916「建築用下地調整塗材」適合補修材など製造業者指定の補修材を使用し、開口部をしっかりと塞ぐ。
4あたり不良  水準器、レーザー等を使用し、1~3mピッチであたりを設ける。
5混練水不足、過多  製造業者指定の水量を厳守する。
6表面均し不良  コテ、トンボ等を使い、あたりを目安に平滑に均す(均し過ぎない)。
7練混ぜ不良  製造業者指定の器具および撹拌時間を厳守する。
8流し込み不良  1ヶ所に流し込まず、移動しながら、墨およびあたりに合わせて均一に流し込む。
9施工厚不良  製造業者指定の施工厚を厳守する。
10打継部  必要に応じて補修する。
11アルミ製の器具を使用  ハンドミキサー、混練容器等にアルミ製のものを使用しない。
12極端な下地の段差  凸部ははつり取り、凹部は補修材で付け送りする。
13通風  開口部を塞ぐ。
14急結  極端に温度の高い水を使用しない。材料に直射日光を当てない。スラリーの極端な温度
2:不具合現象:浮き
NO.発生原因発生要因対策(予防)処置方法
材料施工現場条件
1プライマーの品質不良  製造業者指定の使用期限を厳守する。冷暗所に保管する。開封後は速やかに使い切る。エポキシ樹脂注入、しごき、はつり、再施工。
2プライマーの塗布不良  希釈倍率、塗布量、塗布方法は製造者の施工要領を厳守する。
3プライマーの乾燥不足  希釈倍率、塗布量、塗布方法は製造者の施工要領を厳守する。部分的な未乾燥部はウエスなどで拭き取る。
4プライマー塗布後の汚れ  塗布後は入室しない。汚れた場合は、汚れを拭き取る。状況によっては、再塗布を考慮する。
5下地の清掃不足  埃、粉塵などの清掃を徹底する。
6施工厚不良  凸部ははつり取り、凹部は補修材などで付け送りする。
7特定のコンクリート養生剤使用  事前に床コンクリート仕上げ業者に確認する。
8高強度コンクリート使用  事前に確認する。場合によっては事前テストで接着強度を確認する。
9コンクリートの 養生不足  コンクリートの養生期間は基本1ヶ月以上を確保する。
10雨打たれ、レイタンス  ポリッシャーなどで脆弱部を除去する。
11過度な表面押え (機械コテなど)  下地コンクリート表面は木ゴテでむら取り+金ゴテ1回押させ程度に仕上げる。事前に接着強度を確認した上で、強度不足の場合は、目粗しを必ず実施する。また、プライマーの吸水状態を確認する。
12弱材齢補修部  セメントモルタル系補修材の場合、原則として夏期7日以上、冬期14日以上を確保する。
13油分のしみ込み  しみ込んでいる部分を全てはつり取る。
14下地表面の異物 (パテ、ペンキなど)  スクレーパーなどを用いてきれいに取り除く。
15躯体の振動   できるだけSL材に振動を与えないようにする(特に弱材齢時、S造、デッキプレートは要注意)
3:不具合現象:ひび割れ
NO.発生原因発生要因対策(予防)処置方法
材料施工現場条件
1使用期限切れ材料の使用  製造業者指定の使用期限を厳守する。エポキシ樹脂注入、しごき、はつり、再施工。
2漏れ止め不良

  JIS A 6916「建築用下地調整塗材」適合補修材など製造業者指定の補修材を使用し、開口部をしっかりと塞ぐ。
3混練水不足、過多  希釈倍率、塗布量、塗布方法は製造者の施工要領を厳守する。部分的な未乾燥部はウエスなどで拭き取る。
4練混ぜ不良  製造業者指定の器具および撹拌時間を厳守する。
5極端な下地の段差  凸部ははつり取り、凹部は補修材で付け送りする。
6通風  開口部を塞ぐ。
7直射日光  直射日光を当てない。
8躯体の振動  できるだけSL材に振動を与えないようにする(特に弱材齢時、S造、デッキプレートは要注意)
9下地のひび割れ  コンクリートの養生期間は基本1ヶ月以上を確保する。
101ヶ月以上仕上げ材を施工しない下地のひび割れ  ポリッシャーなどで脆弱部を除去する。
11施工厚不良   下地コンクリート表面は木ゴテでむら取り+金ゴテ1回押させ程度に仕上げる。事前に接着強度を確認した上で、強度不足の場合は、目粗しを必ず実施する。また、プライマーの吸水状態を確認する。 
4:不具合現象:気泡・ピンホール
NO. 発生原因 発生要因 対策(予防) 処置方法
材料 施工 現場条件
1 プライマーの品質不良 製造業者指定の使用期限を厳守する。冷暗所に保管する。開封後は速やかに使い切る。 ポリッシャー、コテ等で研磨。 必要に応じて薄塗補修。
2 プライマーの塗布不良 希釈倍率、塗布量、塗布方法は製造者の施工要領を厳守する。
3 プライマーの乾燥不足 希釈倍率、塗布量、塗布方法は製造者の施工要領を厳守する。部分的な未乾燥部はウエスなどで拭き取る。
4 練混ぜ不良 製造業者指定の器具および撹拌時間を厳守する。
5 混練水不足、 過多 製造業者指定の水量を厳守する。水平な所で計量する。
6 アルミ製の器具を使用 ハンドミキサー、混練容器等にアルミ製のものを使用しない。
7 下地コン表層の 押え不足雨打たれ、レイタンス 下地コンクリート表面は木ゴテでむら取り+金ゴテ1回押させ程度に仕上げる。事前に接着強度を確認した上で、強度不足の場合は、目粗しを必ず実施する。また、プライマーの吸水状態を確認する。
8 雨打たれ、レイタンス ポリッシャーなどで脆弱部を除去する。
5: 白華・白化、粉化、脆弱表層、表層剥離、硬化遅延
NO.発生原因発生要因対策(予防)処置方法
材料施工現場条件
1使用期限切れ 材料の使用  製造業者指定の使用期限を厳守する。ポリッシャーで研磨。表面強化剤を塗布。吸水調整材を塗布。
2混練水の過多

  製造者指定の水量を厳守する。
3表面均し不良 (過多)  コテ、トンボ等を使用し、あたりを目安に平滑に均す(均し過ぎない)。
4練混ぜ不良  製造業者指定の器具および撹拌時間を厳守する。
5プライマーの 乾燥不足  希釈倍率、塗布量、塗布方法は製造業者の要領を厳守する。部分的な未乾燥部はウエス等で拭き取る。
6防凍剤、防水材等、他の材料添加  水以外の他の材料は添加しない。
7施工厚不良  製造業者指定の施工厚を厳守する。
85℃以下の低温環境  室温が5℃以下の場合は採暖する。日中の平均気温が5℃以下の施工は控える。
9材料の温度低下  材料は適正に保管する。極度に水温が低い場合は、投げ込みヒーター等で加温して使用する。
10雨水等の侵入  雨水等の水が侵入しないように漏水個所を、開口部は塞ぐ。
6: しわ(皮張り破れ)
NO. 発生原因 発生要因 対策(予防) 処置方法
材料 施工 現場条件
1 あたり不良 水準器、レーザー等を使用し1~3mピッチであたりをつける。 ポリッシャーで研磨。表面強化剤を塗布。吸水調整材を塗布。
2 表面均し不良 コテ、トンボ等を使い、あたりを目安に平滑に均す(均し過ぎない)。
3 流し込み不良 1ヶ所に流し込まず、移動しながら、墨およびあたりに合わせて均一に流し込む。
4 通風 開口部を塞ぐ。
5 躯体の振動 できるだけSL材に振動を与えない(特に若材齢時)。
上部へスクロール