この施工要領書は、セルフレベリング材(SL材)による床塗り新築工事に適用する。
工程 |
施工要領 |
留意点 |
1.事前確認 |
(1)施工の詳細確認 1.供給方法
袋物、スラリータイプ
2.SL材の厚さ
適用範囲:最小5mm
最大20mm
3.現場状況
残材捨て場、開口部、作業場、電源、
水、施工環境温度 |
1.固定プラント式の場合は、輸送時間および可使時間を考慮し、施工計画を立てなければならない。
2.適用範囲を外れる場合は製造業者に相談する。
3.プライマー塗布からSL材硬化までの室温は5℃以上を標準とする。
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(2)下地の確認
1.下地種別
適用下地:コンクリート
※)それ以外のモルタル、ALC、 PCa部材、
合板等の場合は、 接着不良等の可能性があるため、
SL材製造業者に相談する。
2.下地の状態
以下の場合は事前処理を必要とする。
1)レイタンスがある
2)表面が脆弱である(雨打たれ)
3)油分が浸み込んでいる
4)極端な凹凸・不陸がある
5)接着不良の可能性がある
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1.コンクリート下地の上面仕上げは、木ごてのむらとり + 金ごて1回押えを標準とする。
なお、下地コンクリートの乾燥期間は,28日以上とする。
モルタルの乾燥期間は、
・夏期14日以上
・冬期21日以上
5)機械ごて等による過度の鏡面仕上げ、養生剤使用、塗料 等
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工程 |
施工要領 |
留意点 |
2.事前準備 |
(1)器具準備
1.レベル出し…水準器(レーザー等)、 墨つぼ
2.②清掃…掃除機、ほうき
3.プライマー塗布…バケツ、デッキブラシ等
4.練混ぜ、流し込み…ミキサー、ホッパー、
圧送ポンプ
5.均し…トンボ、こて、左官ゲタ
(2)下地処理
1.レイタンスがある場合 →ポリッシャー等で完全に除去 する。
2.雨打たれの場合 →ポリッシャー等で脆弱部を完全に除去する。
3.油分が浸み込んでいる場合 →ディスクグラインダー等で完全に除去する。
4.極端な凹凸・不陸がある場合 →凸部ははつり取り、凹部は補修材等で付け送りする。
5.接着不良の可能性がある場合 →ディスクグライダー等で目荒しし、接着性を高める。
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4.ミキサーはSL材製造業者の仕様に従う。
4.補修材は、JIS A 6916
「建築用下地調整塗材」など、製造業者の指定するものを用いる。 |
工程 |
施工要領 |
留意点 |
3.前処理 |
(1)清掃
・立入禁止措置をとる。
・掃除機、ほうき等でごみ、埃を除去する。
(2)漏れ止め
・隙間及び開口部は補修材等で塞ぐ。
(3)仕上げ面レベル表示
・水準器(レーザー等)を用いて墨だしし、あたりをとる。
・あたりは必要に応じて1~3m間隔 とし、モルタル、バックアップ材等を設置する。
(4)プライマーの塗布
・SL材打設前日に1~2回塗布する。
・希釈倍率、塗布量等はSL材製造業者の仕様による。
・塗布後、半日以上乾燥させ、埃が入らないように注意する。
・室温が5℃以下の場合は採暖する。
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補修材は、JIS A 6916「建築用下地調整塗材」など、製造業者の指定するものを用いる。
(4)プライマーの吸い込みが大きいあるいは殆どない下地の場合には、製造業者に確認する。
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工程 |
施工要領 |
留意点 |
4.練混ぜ、
流し込み |
(1)準備
1.セッティング
・機器
(ミキサー、ホッパー、圧送ポンプ、圧送ホース等) および材料を搬入し、設置する。
・電気配線を行う。
・水を確保する
・ホッパーに5mmふるいを設置する。
・安全通路を確保する。
2.養生
・通風、直射日光を防ぐため、開口部を塞ぐ。
・室温が5℃以下の場合は採暖する。
(2)練混ぜ(袋物)
・水量、練混ぜ時間を厳守し、均一に練り混ぜる。
(3)流し込み
・スラリーは1ヶ所に流し込まず、移動しながら、
墨およびあたりに合わせて均一に流し込む。
・均し道具(トンボ等)を用いて平坦にする。
・大面積施工時は50~100m2毎に
せき板を入れると 施工し易い。
(4)後片付け
・残材、洗い水、空き袋等は監督者の
指示に従って適切に処理する。
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1.水は原則として水道水を使用する。ただし、井戸水を使用する場合は、清浄で塩分、鉄分、硫黄分、有機物等を有害量含まないものとする。
(2)必要に応じて混練したスラリーのフロー値を測定し、製造業者の指定範囲に合わせる。
(3)過度のトンボ均しは材料分離や白華が発生し易くなるので控える。打継ぎ部はトンボ等でタッピングにより新旧の材料を馴染ませた後、必ず平坦に均す。
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工程 |
施工要領 |
留意点 |
5.養生 |
(1)流し込み後の養生
・SL材が硬化するまでは、表面不良
(シワ、表層クラック等)を防ぐため、
窓や開口部を塞いだままとする。
・軽歩行が可能となった状態から、
適度に換気し、自然乾燥状態とする。
・夜間等室温が5℃以下になる可能性
がある場合は採暖する。
(2)床仕上げまでの養生
・常温7日、冬期は14日以上とする。
・30日以内を標準とする。
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硬化遅延、白華、凍結防止のため。なお、ジェットヒーターにより採暖を行う場合は、温風が直接SL材表面に当たらないように注意する。
(2)長期間の放置は乾燥収縮ひび割れ、浮きの可能性有り。
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工程 |
施工要領 |
留意点 |
6.手直し |
①表面手直し
・軽歩行が可能となった状態で、打継ぎ部の段差、
気泡跡、ひび割れ、レイタンス、不陸、
白華等の有無を確認し、必要に応じてサンダー、
けれん棒および補修材等で処理する。 |
補修材は、JIS A 6916「建築用下地調整塗材」など、製造業者の指定するものを用いる。 |
(1)材料の貯蔵、保管に際しては、水、湿気、直射日光を避ける。 |
(2)他の材料を混ぜない。 |
(3)外部、常時水のかかる場所、施工後水が浸入する恐れがある場所での使用は避ける。 |
(4)施工の際は、必要な保護具を着用する。 |
(5)材料はメーカーの定める期間内に使用する。 |
(6)仕上げ材が塗り床の場合はSL材製造業者に相談する。 |
出典:1)日本建築学会編:「建築工事標準仕様書・同解説JASS 15M-103セルフレベリング材の品質基準」2) 日本床施工技術研究協議会:「コンクリート床下地表層部の 諸品質の測定方法、グレード」
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